ブライダルジュエリーの基礎知識

ブライダルジュエリー(結婚指輪・婚約指輪)の基礎知識まとめ

  1. なぜエンゲージリングを贈るのでしょうか?
  2. エンゲージリングは、なぜダイヤモンドなの?
  3. エンゲージリングを、左手の薬指につける理由
  4. エンゲージリングは、いつ婚約者に贈るもの?
  5. ダイヤモンドの「4C」とは?
  6. 原石から指輪になるまで
  7. ラウンドブリリアントカットとは?
  8. リングの地金素材は、何を選ぶべきか?

なぜエンゲージリングを贈るのでしょうか?

エンゲージリング(婚約指輪)とは、婚約した証として男性から女性に贈る指輪のこと。
その風習は、古代ローマ時代に「永遠」の象徴として繋ぎ目のない鉄の輪(リング)を贈ったことに由来します。
エンゲージリングにダイヤモンドが使われるようになったのは、ダイヤモンドの研磨技術が成功してからで、今から500年以上も前の15世紀中ごろのこと。
当時のオーストリアのマクシミリアン大公(のちのマクシミリアン一世)が、婚約者のブルゴーニュ公女マリーに贈ったのが始まりです。
それ以来、ダイヤモンド付きのエンゲージリングを贈ることがヨーロッパの王侯貴族たちの習慣になり、やがて長い時を経て一般の人たちにも広まって行きました。
現在でもエンゲージリングは男性が最愛の女性に伝える「愛の証」であり、また、女性にとってそれを贈られることは、彼の愛を受け入れる決意と共に新しい人生を踏み出す高揚感を実感する、幸福に満ちた瞬間。
エンゲージリングを贈るということは、単なる習慣ではなく精神的な効果をも生む神聖な儀式なのです。

エンゲージリングは、なぜダイヤモンドなの?

研磨しにくい硬質さから「不屈の力」を持つとされるダイヤモンドは「永遠に変わらない愛情」を象徴し、あらゆる困難から守る「お守り」の役目も。
また、その無色透明な輝きから「純真無垢な心」も表しています。
そんなダイヤモンドに結婚を誓い、ふたりの絆を深め導いてほしいとの願いを込めて、エンゲージリングに広く使われるようになりました。
「アニバーサリージュエリー」として人生の節目ごとにジュエリーを贈る習慣があるヨーロッパにおいても、婚約時のそれは特別なもの。
だから、恋人である男性からいちばん初めにプレゼントされる「アニバーサリージュエリー」=エンゲージリングは、その永遠の輝きと美しさが彼の「愛の深さと誠実さ」を示すダイヤモンドがふさわしいとされています。

エンゲージリングを、左手の薬指につける理由

エンゲージリングやマリッジリングを左手の薬指につける理由は諸説ありますが、薬指の血管が心臓に直結していると考えられたため、愛の象徴であるリングが「心」と「心臓」、つまりHEARTと密接に繋がるから。というのが有力な説です。
このエンゲージリングは、結婚式当日は右手の薬指につけかえておき、新郎につけてもらった左手薬指のマリッジリングの上にさらに重ねることになります。
花嫁の左手薬指に輝くダイヤモンドは、見るたびに誇らしく心を満たし、それからずっと人生に寄り添うかけがえのない存在になっていくのです。

エンゲージリングは、いつ婚約者に贈るもの?

プロポーズの言葉とともに目にするダイヤモンドの輝き − それは、多くの女性が少女の頃からずっと憧れているシーン。
男性にとっても、新しい一歩を踏み出す瞬間。告白する男性の自信と勇気を後押ししてくれる、そんな役目も担っています。
至福の場面を演出してくれるエンゲージリングは、最高のタイミングで贈りたいもの。
また、日本では結納品のひとつと考えられているので、必ずしもポロポーズのときに渡さなければいけないというわけでもありません。
結婚が決まってから、両家が揃う結納や顔合わせの席で贈るのもひとつの方法です。
サプライズで彼女の驚く顔を見るか、格式高く親族の祝福の中で渡すか。
どちらの方法で贈るにしても、高価で大切なものなのでじっくりと時間をかけて納得のいくものを選んでください。

ダイヤモンドの「4C」とは?

ダイヤモンドの評価基準と知られる4Cとは、CARAT(カラット)、COLOR(カラー)、CLARITY(クラリティ)、CUT(カット)のことを示し、4つの頭文字からこう呼んでいます。

CARAT(カラット)

宝石の重さを表す単位で、ctと表記します。
1ctは0.2gに相当。
大きさも重さに応じて変わりますが、厳密にいうとカラット数は大きさの単位ではありません。

COLOR(カラー)

ダイヤモンドの色のことで、DからZまでの23段階に分類されます。
限りなく無色透明に近いものほど希少性が高く、最高ランクがDカラーと呼ばれるものです。
黄色味を帯びるものほど、カラーグレードがZに近くなっていきます。

CLARITY(クラリティ)

ダイヤモンドの透明度を表します。
透明度を損なう原因である内方物や傷の大きさやその数、位置、色などを10倍の拡大鏡を通して判断し、11段階に分けます。
最高級のFL(フローレス)からIF、VVS1、VVS2、VS1、VS2、SI1、SI2、I1、I2、I3の順に表示されます。

CUT(カット)

文字どおりカットによる評価基準で、4Cの中で唯一、人の技術に左右される部分。
美しい輝きを最大限に表現するためには、熟練した技術による精巧なカットが重要になります。
プロポーション(各部分のサイズと角度の関係)フィニッシュ(研磨による仕上げと対称性のチェック)の状態で、5段階のグレードに分類されます。
最高級のカットをエクセレントカットといいExcellent→VeryGood→Good→Fair→Poorの順で続きます。

原石から指輪になるまで

人類の誕生よりもはるかに遡る数十億年の長い歳月を経て、自然が作り出してきたもっとも美しい鉱物が、ダイヤモンド原石。
このダイヤモンド原石が愛する女性の手元で輝くまでには、果てしないプロセスが存在します。
想像を超えた規模で行われる採掘作業、採掘された希少な原石をプロの厳しい目で選別する作業(天然のダイヤモンドから宝石にできるのは2%弱といわれている)、ミクロのレベルで行う研磨作業を経て、宝石としての価値をもつダイヤモンドになります。
さらに、公正な鑑定機関によるグレーディング審査が行われ、鑑定書が発行され、ダイヤモンドも魅力を最大限に引き出すセッティングやアームの加工が、熟練したデザイナーと職人の手によって施され、運命の人の元へ届けられるのです。
自然が人類に与えた個性美が宿っている唯一無二のダイヤモンド−それは、自分にとってかけがえのない大切な女性に贈るにふさわしい宝物です。

ラウンドブリリアントカットとは?

ブリリアントカットと呼ばれるダイヤモンドのカッティング法は、代表的なもので6種類ありますが、中でもいちばん美しく輝くのがラウンドブリリアントカットです。
1919年数学者マーセル・トルコウスキーはカッティングによる光効果を分析し、ダイヤモンドが最も美しく輝くカットを見出しました。
これにより理想的な58面体のプロポーションが考案され、それが現在のラウンドブリリアントカットのベースになっています。
中央から外側に向かってファセット(facet:切子面)が配置され、中心から放射状に輝くのが特徴。
このカットによってすべての光は、ひとつの面から別の面に次々と反射し、最後には上部から分散し華やかに輝きます。
カットが深すぎても浅すぎても光はきれいに反射されず、下や横に光が逃げてしまい、きれいに輝きません。

リングの地金素材は、何を選ぶべきか?

エンゲージリングの素材はプラチナが一番人気です。
欧米ではゴールドが主流ですが日本ではプラチナの精緻な光がエンゲージリングの素材として定着しました。
変色や変質もほとんどなく耐久性にも優れているため、プラチナがもつ純粋性と希少性だけでなく、美しさを維持できるという「不変性」が「永遠」を意味するということもあり、日本の女性が好む理由のひとつになっています。
プラチナは、南アフリカ、ロシア等で産出されますが、1トンの原鉱石に3グラム程度しか含有されません。
プラチナはとても重い金属で、比重が21.4もあります。
元々硬い金属かと思うと実際にはとてもやわらかい金属で、そのため5〜10%パラジウム、コバルト、ルテニウム等の金属を加え適度な硬さに加工して使われます。
最も一般的な「プラチナ900」は、90%のプラチナを含む合金です。
ほかに、ゴールドを75%含む合金「K18ホワイトゴールド」「K18イエローゴールド」「K18ピンクゴールド」があり、プラチナの価格より7割程度の価格設定になっています。
もちろん、予算に合わせた選択をお勧めしますが、プラチナの心地良いずっしり感は捨てがたいものです。LUMINOUS Les Bijouxでは、プラチナの質感と耐久性を考慮し「プラチナ950(ハードプラチナ)」を使っています。